核のガンディー神話:ゲーム界で最もしぶといミーム

初代『シヴィライゼーション』の悪名高い「核のガンディー」バグは、ゲーム界で最も長く語り継がれる都市伝説の一つだが、このバーチャル現象の背後にどれほどの真実があるのだろうか?私たちはゲーム史上最大の謎の一つを検証する。
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核のガンディー:ゲーム史上最も有名なバグ?

どのゲームコミュニティにも、デジタル民間伝承のようにプレイヤー間で囁き継がれる伝説的な物語がある。ヘロブラインのような名前が現代のゲーム神話を支配する一方で、年配のプレイヤーは核のガンディーが頂点に立っていた時代を覚えている。
この奇怪な異常現象は、『シヴィライゼーション』の平和主義者として名高いインドの指導者を、核を渇望する戦争屋に変貌させたとされるが、この悪名高いバグは果たして実在したのか?事実と虚構を切り分けてみよう。
伝説の形成

この神話によれば、『シヴィライゼーション』のAIリーダーは1〜10の攻撃性値を持ち、ガンディーは1(最大の平和主義)に設定されていたという。民主主義を採用すると攻撃性が2ポイント減少し、整数オーバーフローによりガンディーの値が255に巻き戻されてしまうというのがその主張だ。
その結果?歴史上最も偉大な平和主義者が突然、『シヴィライゼーション』で最も攻撃的な戦争屋に変貌する―しかもそれは核技術が利用可能になる時期と見事に一致していた。
神話の拡散

驚くべきことに、この伝説が現れたのは、『シヴィライゼーション』が1991年に発売されてから数十年が経過した2010年代中期まで待たなければならなかった。『シヴィライゼーションV』の時代までには、オリジナルのバグを検証することは不可能となり、この神話は抑制されることなく広まっていった。
公式の論破

ゲームの生みの親であるシド・マイヤーは2020年、ついにこの神話に言及し、「ありえない」と断言した。主な事実は以下の通り:
- 変数は符号付き整数を使用していた(オーバーフローしない)
- 政体は攻撃性に影響を与えなかった
- ガンディーは他の複数のリーダーとAIの挙動を共有していた
真実の物語

皮肉なことに、オリジナルの伝説は誤りだったが、『シヴィライゼーションV』では、意図的にガンディーに核への志向性を持たせてプログラムされていた。リードデザイナーのジョン・シェーファーは、ガンディーの平和的性質にもかかわらず、核兵器を好むようにしたことを認めており、このミームのレガシーを確固たるものにした。
Civ VIではこの冗談をさらに推し進め、ガンディーに70%の「核兵器好き」という隠されたアジェンダを与えた。Civ VIIのラインナップからガンディーが姿を消したことで、この伝説的なミームはついにゲーム史に消え去るかもしれない。
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